三木産業株式会社

ビジネスの現場から

未来をつくる私たちの提案力

化学と同じように、化学専門商社のビジネスは“変幻自在”である。
国内だけでなく、世界を相手に“新たな価値”を創造することに成功した
3つのプロジェクトストーリーを紹介しよう。

CASE 1

自動車分野

日本の優れた“発泡シート”を、
インドネシア市場へ

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自動車メーカーから寄せられた、現地調達の依頼

内装用塗料を販売している三木産業インドネシア法人に、日系自動車メーカーのインドネシア工場より「日本で使用している発泡シートを、インドネシアにも調達してもらいたい」との依頼が寄せられた。この発泡シートは日本のシートメーカーが製造しているもので、軽量かつ耐衝撃性・耐水性に優れているため、日本の自動車・自動車部品メーカーでは部品の搬送用梱包材として使用されている。しかし、シートメーカーに確認したところ「インドネシアでは販売していない」という。それであれば、インドネシアに供給ルートをつくろう――と、三木産業の新たな挑戦が始まった。

インドネシアでの調査を実施し、
現地での発泡シート販売権を獲得

インドネシアに現地法人がある強みを活かし、三木産業は現地調査を開始。すると現地の日系自動車・自動車部品メーカーから相当量の調達ニーズが見込めることがわかった。また、現地での販路を構築するために前提となる発泡シートの裁断加工業者も探した結果、信頼できる企業を数社ピックアップできた。そうした調査結果を手に発泡シートをつくっているシートメーカーを訪れ、インドネシアへの製品展開を提案。するとシートメーカーが三木産業の調査結果を評価してくださり、インドネシアでの発泡シートの販売権を獲得することができた。

主な提案活動

  • インドネシア現地の日系自動車・自動車部品メーカー各社にヒアリングし、需要見込みを調査
  • 発泡シートの裁断加工業者を選定し、現地供給体制を整備
  • 現地の市場動向をもとに、シートメーカーにインドネシアでの製品展開を提案

ビジネスの流れ

インドネシアでの実績が評価され、
欧州市場のビジネスチャンスが拡大

  • インドネシアにおける発泡シートの総販売代理店として、現地の自動車・自動車部品メーカーへの納入を実現!
  • シートメーカーから欧州での製品展開の販売パートナーにも選ばれ、新たにフランスの自動車メーカーとの交渉を開始!

一人ひとりのがんばりがあったからこそ、目標が達成できた。

東京営業本部
光学電子材料部
第一課
中西 卓也
*取材当時の所属です

光学電子材料部の第一課は、海外との取引が約6割と高く、現地法人との連携が多い部署です。今回の案件もチームメンバーや現地メンバーと協力し、成果をあげることができました。とくに自動車メーカーの依頼から約3カ月で現地供給を実現するというスピーディな対応は、お客様からもご評価いただいています。あらためてチームワークは大切だなということを感じています。また、早期にシートメーカーとのパートナーシップを確立し、サポートを受けられたことも成功の大きな要因です。常に「お客様のために何ができるか」と誠意をもって考えることを心掛けています。その結果、お客様から「また、頼むよ」と言われた時の充実感はたまりません。

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CASE 2

産業用印刷分野

巨大マーケットの中国で、
新たなビジネスチャンスを掴む

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いち早くキャッチしたインクジェットプリンターの“次なる一手”

近年、印刷業界では、大型看板や服飾用の布地への印刷に使われる産業用途のインクジェットプリンターの需要が高まっている。なかでも中国は最大の需要地で、「水系(顔料)インク、UV系インク」などの環境対応型インクは、今後さらに市場規模が拡大していくと言われており、インク用原材料メーカーにとって中国への事業展開は必要不可欠だった。従来から印刷機用トナー・インクの原材料を商材としてきた三木産業は、この業界動向をいち早くキャッチ。調達先である原材料メーカーと協力しながら中国市場でのビジネスモデルを構築し、新たな商流をつくり上げた。

中国市場で、いちから有力な新規顧客を選定し、
販促活動を展開

印刷用インクの業界では、先に顧客側のベースとなる処方系に入り込んだメーカーおよび商社は、同業他社よりも優位なポジションを得られる。そこで三木産業は、商機を見るやすぐに中国市場の開拓を開始。販売先となる中国国内のインクジェット用インキメーカーを選定するために、現地で開催された展示会にも訪問。現地のインキメーカー数十社と接触し、そのなかから顧客に成り得る有力メーカーを選定し、販促活動を展開していった。そして、インクに最適なさまざまな原材料を提案することで信頼関係を築き、中国のインキメーカーとの新規取引開始に成功した。

主な提案活動

  • 華東、華南で開催された展示会を訪問し、現地のインキメーカー数十社に接触
  • 有力なインキメーカーの工場を直接訪問し、製造規模や製造設備を調査
  • インキメーカーに原材料サンプルを提供し、インクジェット用インクの試作品開発に協力
  • インキメーカーからのニーズに応えて、さまざまな原材料を日本から調達、提供

ビジネスの流れ

中国市場でのインク原材料ビジネスの開拓に成功

  • 同業他社に先駆けて、中国でのインクジェット用インク原材料の取引を開始!
  • 現在、おおよそ10種類の原材料を、20社以上のインキメーカーに供給!
  • 中国での市場開拓を足がかりに、今後、欧米やアジアへの事業展開の可能性が拡大!

独立系だからこそ、お客様のニーズに“最適な商材”を提案できる。

東京営業本部
コーティング材料部
第一課
今井 真路

当社は、どの系列にも属さない独立した専門商社なので、あらゆるメーカーとビジネスできることが強みです。しかも、一人ひとりの裁量が大きいので、小回りよく、スピーディに仕事が進められます。こうしたアドバンテージがあるからこそ、中国のインキメーカーから「三木産業だから、新たなインクジェットビジネスに取り組めた」と評価いただける対応ができたと考えています。また、お客様から当社の存在価値を認めてもらえると、どんな苦労も吹き飛びます。とくに今回のように、新規市場で新たなビジネスを提案した時に、お客様から「三木産業と組んで良かった」と言ってもらえると本当に嬉しくなります。今後も、お客様や調達先との“Win-Win-Win”の関係を維持できるように努めていきます。

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CASE 3

エレクトロニクス分野

IoT時代の新しいビジネスの開拓へ

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高性能化する電子機器・部品の“発熱対策”に着目

家電やクルマ、通信機器など、あらゆるモノがインターネットでつながるIoT(Internet of Things)時代を迎えた今、小型・高性能な電子機器・部品の需要が増加している。それにともない、IoTのキーデバイスであるセンサの市場規模も拡大し、2023年には現在の100倍にまで拡大するといわれている。一方、電子機器・部品の小型化によって発熱密度が上昇するため、それらの放熱がメーカーにとって大きな課題となっている。そんななか、三木産業は電子機器・部品の“発熱対策”に着目。新たなビジネスの開拓に乗り出した。

“発熱対策”に有効な新商材を発掘し、
電子機器・部品メーカーに提案

電子機器・部品の展示会などに足を運び、出展企業へのヒアリングを実施した結果、多くの企業が“発熱対策”に対するニーズを口にした。早速、発熱対策に有効な商材を調査すると、大手化学品メーカーが開発した「放熱シート」と「放熱接着剤」が浮かびあがった。商機の可能性を感じた三木産業は、化学品メーカーの販売パートナーとなって、電子機器・部品メーカーの商品開発および、各種製造業の環境対策への提案活動を展開した。

主な提案活動

  • 電子機器・部品メーカーに対し、「放熱シート」「放熱接着剤」を設計に取り入れた製品開発を提案
  • お客様企業の製造部門に、工場に設置される制御盤への放熱シートの活用を提案
  • 放熱シート・接着剤の使用現場での効果を測定し、測定データを化学品メーカーにフィードバック

ビジネスの流れ

新たな分野での“商材の高付加価値化”に成功し、
新規取引が拡大

  • モーターメーカー、電源メーカー、自動車電装品メーカー、企業の製造部門などとの新規取引が拡大!
  • 電子機器・部品メーカーに採用され、耐熱性に優れた高付加価値な製品開発に貢献!
  • 自動車メーカーの工場の制御盤に放熱シートが採用され、消費電力の低減に貢献!

あきらめなければ、必ず糸口が見えてくる。

東京営業本部
光学電子材料部
第二課
寒川 智也

私の所属する部門は、先端材料を商材として新規顧客を開拓することをミッションとしています。“発熱対策”という新しいテーマに取り組んだ時も、心掛けたのは「できない」と絶対に言わないこと。お客様から厳しい要求があった時も、詳しく話を聞き、ニーズの本質をつかみ、「では、こういう方法はどうでしょう?」と別の方法を提案していった結果、ビジネスに結び付けることができました。こうした取り組みを通じて「三木産業に頼めば何とかなる」と相談される機会が増えたことが嬉しく、やりがいを感じています。最近では、「スマートフォン用画面保護ガラス」という当社では珍しい一般消費者向け商品の海外販売にも取り組んでいます。自分で自分の仕事を広げられる――これが、三木産業で働く面白さなのです。

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