
私が担当するお客様は、国内外の製紙メーカー。「紙の付加価値」を高める薬剤等を販売し、新たな提案をすることが仕事のメインですが、薬剤だけでなく、紙の試験装置、倉庫を自動化するシステムなど、お客様の研究開発や生産プロセス関係までトータルに提案しています。紙の分野は、インターネットの普及や新聞・雑誌の購読者数減、ペーパーレス化などを背景に、厳しい業界というイメージがあるかもしれません。しかし、世界の動きや時代の求めるものを捉えればチャンスは無数にあります。たとえば、感熱紙に代表される「情報記録紙」は、情報機器の普及とともに世界的に需要が伸びています。また、エコロジーの観点から「製紙プロセスに使われる水の更なる循環利用」や、輸送時のCO2や人的負荷を削減する「紙の軽量化」などは社会的にも重要なテーマとなっており、これにいかに応えるか、営業の手腕が問われます。
新製品を開発する製紙メーカーの開発者は、機密上の配慮もあり、開発中の製品のことは話しづらいものです。そのなかで、営業として相手様のニーズを引き出すためには、「相手の立場で考え、開発の課題や悩みにお応えできることを具体的に示す」ことが大切です。たとえば、インクジェット紙であれば、デジカメ写真のプリントへの対応から、写真が色あせない「保存性」や「耐水性」などのテーマが考えられます。こうした仮説から、薬剤メーカーの開発動向に関する「情報」や「サンプル」を示して反応をみる。すると、たとえテーマの読みが違っていても「じつは今、発色を高めるのがテーマなんだよね。何かいい提案ある?」といった返事が得られます(表情は崩しませんが心の中で"ガッツポーズ"です)。課題やテーマがクリアにできれば、薬剤メーカーからの提案やカスタマイズへの協力などを得て、最適解を追求できます。こうした意味で、お客様が相談したいと思うだけの経験と専門性が求められますが、開発のパートナーとして信頼を寄せていただけることがやりがいとなっています。
偉そうな話もしましたが、これまでにたくさんの失敗や試行錯誤がありました。新人時代、「あの人の話し方はお客様のハートをつかんでいる」と表面だけマネをしてお客様に何も伝わってなかったり…。また、訪問した先で3分間しか会ってもらえず、まともに話も聞いてもらえなかったりすることもありました。「この先、どうしたらいいのか…」。そんな気持ちにもなりかけましたが、その都度テーマを考え、先輩に教えてもらいながら、足しげく通ううちに、打ち合わせ時間が10分、30分と長くなっていき、ついには商品を採用していただくことができました。その方には他部署の方を紹介していただいたり、担当をはずれた今でもおつきあいいただいたりと関係が続いています。こんなご縁があることもこの仕事の魅力です。
今は、国内だけでなく欧州への輸出業務も担当し、会社の語学研修制度などを活かしながら、英語力に磨きをかけている最中です。営業のプロとして様々な力を高め、よりグローバルに活躍していきたいですね。

大学時代は、体育会系バレーボール部に所属。「人と話してワイワイやるのが好き」という性格は、理系でも営業向きだと考えていた。入社以来、製紙分野のスペシャリストとして活躍する万木だが、仕事で大切なのは「あいさつ」だという。「学生時代に身に付けた基本的なことが、仕事にも活きるんですよ」と語る。
いま一番の趣味は、生後10ヶ月になる子どもと一緒に遊ぶこと。最近ではつかまり立ちができるようになって、私が帰ると玄関にばたばた出迎えてくれるのが楽しみで、めっきり飲みにも行かなくなってますね(笑)。