製造現場の
静電気トラブル解決事例

空間除電装置[TRINC] 導入事例

世界中の製造現場を悩ませる「静電気」。作業者の感電、溶剤を使用する防爆エリアで着火元となるスパーク、精密部品の静電破壊、ジャムの発生によるチョコ停、塵埃のコンタミよる完成率の低下など、克服すべき様々な課題があります。
三木産業は、異物・静電気対策装置の専業メーカー[TRINC]の公認デモンストレーターとして、従来のイオナイザー・加湿・クリーンルーム・エアシャワー・クリーンベンチなどの設備の工夫や原材料の改良だけでは解決できない「異物・静電気問題」に対して実態に即した解決策をご提示し、全国の製造現場で高い評価を受けています。その中から2つの導入事例をご紹介します。

TRINCについて詳しくはこちら

キレート剤メーカー中部キレスト株式会社 様

Case1品質管理と研究部門、
緻密な作業を妨げる静電気

高純度なキレート剤の品質検査で、
静電気がボトルネックに。

化学品専業メーカーとして、キレート剤などの製品群でオンリーワンの存在感があり、さらに、防錆剤の受託製造並びに開発を手掛ける中部キレスト様。主要製品の1つであるキレート剤は、金属イオンをマスキングする作用を持ち、さまざまな製品に配合されています。

例えば、私たちの暮らしに身近な洗濯洗剤。水道水には複数のミネラル成分が含まれており、それらと洗浄成分が結合してしまうと、洗浄成分が沈殿等を起こし、洗浄力が下がってしまいます。
そこにキレート剤を添加すると、キレート剤がミネラル成分をマスキングし、洗浄成分とミネラル成分の結合を阻害することで、洗剤が本来の洗浄力を発揮できるようになります。

キレート剤は、精密な品質検査を経て出荷されます。粉末製品の品質検査では、手作業で粉末を精密天秤に載せて精秤する作業があります。その際、静電気が発生すると、天秤がふれて精秤することが出来ません。そのため、品質管理部門では検査効率が上がらないという悩みを抱えていました。

防錆剤の研究開発部門でも
静電気が作業を妨げる。

一方、防錆剤の研究開発部門にも課題がありました。防錆剤をフィルムに練り込んだ製品を開発する中で、フィルム内の防錆成分の含量を測定するためにフィルムを細かく刻む工程がありますが、静電気が邪魔をして効率よく作業が進まなかったのです。

「こうした静電気の問題を解決するために、空間除電装置、TRINCを紹介していただきました。様々な製品タイプの中で、バートリンクやガントリンクなど何種類かデモ機を試した結果、空間スマートリンクが当社にはピッタリだという結論になり、導入を決めたのです」。

除電器は風が出るものが多いですが、粉末や小さなフィルムを扱う作業には適しません。無風除電の特長が採用の決め手だったと、研究部の直江さんは語ってくれました。

空間スマートリンク

グローバル市場へ
付加価値の高い製品を提供。

化学品メーカーとして、今後は日本国内だけでなく、海外のメーカーを相手に戦っていかなければならないと購買部長の田村さんは強調します。「そのためには付加価値の高い製品が不可欠です。当社はキレート剤の専業メーカーとして、原料から一貫生産している点に強みを持っています。特に、50年以上にわたり培ってきた製造技術をベースに開発した、金属不純物を低減した高純度なキレート剤は、電子材料向け用途として期待が高まっているのです」。

田村さんは「三木産業には今後も、競争力のある原材料の提案、キレスト製品のグローバル市場への拡販、両面で協力していただきたい」と、期待を寄せています。また、高純度で高品質な製品を作る製造現場で、さらなる異物対策・静電気対策が必要になった際にも、ぜひ相談したいとの言葉をいただきました。
三木産業は世界市場をめざす企業の戦略パートナーとして、Win-Winの関係を築きながら、これからも多くの出合いとアイデアを提供し続けます。

総合生活用品メーカーサンコーピーエム株式会社 様

Case2不織布の断裁加工で発生する
強い静電気を劇的に改善

あきらめていた静電気問題
日々ヒヤヒヤしながらの作業現場。

生活用品メーカーであるサンコーピーエム様は、リビングやキッチンをはじめ、身近な場所で使われるマットやシートなどを、大阪・岸和田の工場で製造しています。商品は生協やホームセンターなどで購入でき、最近では在宅勤務などで使用するデスクマットが人気商品に。日々アイデアを生かしたものづくりに取り組んでいます。

「主⼒商品であるマットの製造⼯程では、不織布の⼤きな原反を重ねて裁断し、プリントを施していきます。原反は保護フィルムが付いた状態で納品されますが、トムソン加⼯で裁断する際に、多層構造になっている原反と裁断刃がこすれて、強い静電気が発⽣していました。

「除電シートや、加湿器、旧来の除電器等、⾊々試してみたのですが、発生する静電気が強すぎ、感電を抑える事が出来ず、半分あきらめていたのです。担当する数名の工員は、毎日数百回、バチっと感電することに耐えながら仕事をしていました」。
そう振り返るのは、⼯場⻑の吉川さん。この状況をなんとか改善できないのかと日々悩んでいました。

原反の製造元・不織布メーカーで
効果があったTRINCを採⽤。

そんな悩みを抱えた中、所用で仕入先である原反・不織布メーカー様を訪ね、その製造現場で空間TRINCに出会ったのです。いつも静電気を感じていた工程に、空間TRINCが設置されたことで静電気は消え去り、不具合は解消されていました。

この効果を自社工場でも再現すべく、打ち合わせ後すぐに岸和田工場でデモトライ。効果を確認した翌日には、バートリンクの導⼊を決めたのです。

「実際に使ってみると、工場の作業者からは感動の声が上がりましたね。これまであきらめていた問題が解消されたのですから」。その後、和歌山県にあるサンコーピーエム様の海南工場でも、複数のラインで導入を決定、多くの作業者の静電気ストレス解消を実現しました。

バートリンクTAS-311BAM

安全・快適な職場で
もっと良いものづくりを。

TRINCの良い点は、これまでの静電気対策では効き目のなかった作業現場で、強力な除電効果があるということだけでなく「デメリットがない」点だといいます。導入によって作業環境が改善され、作業スピードも向上して生産性の向上にもつながりました。

「これからも、お客様に喜んでいただける商品を作っていきたいですね」と吉川さん。コロナ禍を経て、暮らしの環境を整えたいと考える人が増え、業績も上向きだといいます。岸和田工場が立地するのは「だんじり祭り」で有名な土地柄。地域に根差したものづくり工場として、これからも私たちの生活を彩る優れた商品を届けてくれることでしょう。